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Suiseki
​盆栽とならぶ鑑賞趣味「水石」についてコンパクトに説明してみます。

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​要約

「水石」とは川や山で採った石を手を加えず、山等の自然の風景に見立てて、飾り台や掛け軸、盆栽などを使って室内で飾る趣味です。南北朝時代あたりがルーツで盆栽と関係が深い。昭和30年ころに大ブームになりました。現在も日本各地に愛好会があり交流会や展示会を開催。「日本の水石展」という大展示会や「愛石」「樹石」といった専門雑誌もあります。

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​総論「水石」について

​水石の世界へようこそ。

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​壱

​「水石」とはなんでしょう?とりあえず呼び方は「すいせき」です。「みずいし」ではありません。これは結構大事なことです。呼び名がわかったところで、その歴史を僕なりに書いていきますね。興味を持っていただければ嬉しいです。水石の世界はようこそ。

​水石とは

 

水石とは川や山で採った石を山や谷などの自然の風景、人物や動物等に見立て、室内で飾って楽しむ鑑賞趣味。飾るために石に木の台つけたり、水盤(砂をひいた陶器)にのせたり、その他卓や掛け軸、盆栽といっしょに飾ります。そして、自宅で楽しんだり展示会に出品したりします。


その歴史は中国がルーツ。南北朝時代から上層階級の趣味として始まったといわれます。石を鑑賞して楽しむ文化自体はもっと前からあったとは私は思いますし、飾り方や定義も変わってきるので起源は諸説ありですが、長い歴史があることは間違いないかと思います。

​盆栽とのつながり

 

​「水石」と「盆栽」は「車輪の両輪」と称されて、いっしょに発展してきました。この2つの趣味は実際に手を動かす部分はかなり異なるのですが「自然をコンパクト」に再現して楽しむ、という点は一致しています。

昭和の大ブームが来る!

 

話を水石の歴史に戻します。南北町時代から、明治時代を経るとかなり今のスタイルに近づいていって、やりやすいものとなってきました。そして昭和30年代に大ブームとなりました。

 

その理由を推察すると、急速な都市化、団地生活という生活スタイルの変化の中で、気軽にできて自然を家で楽しめることが受け入られたのではないかと思います。

日本全国でピクニック感覚で川や山で石を取る水石愛好家が増えました。ひとりで家で楽しむ人もいれば、地元で会を作り、情報交換をしたり、年に1〜2回市民会館のような場所で展示会や石の交換会(セリ市)をするようになりました。

 

全国的に石を販売するお店もできていきました。以上の動きから水石界が形成され現在に至っています。また「愛石」「樹石」といった専門誌が発行されたり、石についての書籍も多数発行されました。

「数奇者」という存在

 

石の中には高額で販売されるものもでてきました。布に包まれ桐箱に収められて銘(名前)をつけられた高級な石。それを会社経営者等のお金のある方々が、趣味で集めるという動きが生まれました。

銀座の三越デパートで水石の展示も開催されたこともありました。お金に余裕のある愛好家の方々の動きが、日本の水石文化に大きく貢献したと僕は思います。

こうした力のある方々を数奇者と呼ぶこともあります。現在も度東京都美術館で開催される「日本の水石展」にはそういった方々の力は大きいと感じます。

展示会ではどうしても高額な石が注目されるので、水石はお金持ちしかできない趣味、というイメージがあるかもれません。でも、そんなことはありません。

川で拾えばお金はかかりませんし、交換会などでは500円や1000円程度の石も出てきます。また、今ではインターネットでもお気軽な石を買うこともできます。

​六

​現在の状況


水石は、現在も日本各地に愛好会の会があり展示会や交換会が開催されています。愛好家の高齢化が進んでいて自分の感覚ではメインは70代な感じで40代〜50代は若手と感じます

インターネットによって、ヤフオクやメルカリでも石が入手できるのは今の時代の良い状況だと思います。ただ、愛好家の年齢層が高いためか、愛好家個人のネットでの情報発信は少なめに感じるは残念です。​

​七

​水石の未来をつくりたい


多分、あと20年もすれば水石の世界は大きい世代交代の波が来るではないかと思います。その時、どういった次世代が現れるのか、実は今はまったくみえません。

僕は水石という素晴らしい趣味が続いて欲しいと思っていて、それに役立つ活動がしたいと思ってこのサイトを行っています。僕は
水石の未来をつくりたい。


アラン・ケイ「未来は知りえない、しかし自ら創る事はできる」。

​水石の各論的な部分は
Q&Aというページを作って説明していきたいと思います。

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