Tanagokoro 盆栽と水石
2020年6月28日
最終更新: 2020年12月20日
ドライブの季節ですね。北海道もいい感じです。
そんなことで思ったことを書いていきます。
水石において「遠山石にはじまり、遠山石に終わる」というのがあります。なんとおさまりの良い名言だろうか。しみじみ。しかし、しかしなかなか終われませんよね。
なぜなら、ありそうでないのが遠山石なのだ。多くの石は「遠山」かも?になってしまう。なんて水石と縁が薄い方にはさっぱりわからない話ですね。申し訳ない。遠山石って、水石の石の形のひとつなんです。今回はその話をかいてみます。話をわかりやすく巻き戻してみます。最初からいきますね。
ドライブの楽しみはいろいろある。 僕はそのひとつは車の窓から見える山々。 登山とは違う楽しみ。遠くの山をみること。あっても、見えない時もある。 遠くに見えるほど魅力を感じる時。それが窓から見える山々。
そんな形を感じさせる石を「遠山石」といいます。
これは名前のとおり「遠くにみえる」山の形です。「遠く」というのがポイントで、単に山の形がドンという形ではなくて、遠くにみえる山々の風景、という意味だと思っている。
だから、上の写真の複数の山見え隠れするような石はなんと素晴らしいでしょう。おもに3つの山で構成され絶妙に遠近感を感じさせつつ峰を感じさせます。そして、たしか気持ちのいい調和があります。
幅21センチ。展示にはやや小さめですが、形がいいので十分いけます。それに、これぐらいだと自宅でも飾りやすいくて小躍りしうそうです。僕の水石の中のドライブ終わりを感じさせる素晴らしい遠山型の石です。こんな石で出会いたいなぁ。
写真は「水石入門マニュアル」からの6ページ「明治神宮蔵石」転載。
現在入手しやすい唯一の水石の入門書。水石に興味を持った方はぜひ読んでみてください。
著者:松浦有成 発行:株式会社 近代出版
https://www.bonsai.co.jp/products/detail/520